【建築本レビュー】虫眼とアニ眼

こんにちは。おにまめです。

今回は【虫眼とアニ眼】という本についてご紹介していきたいと思います。

いやはや、ながらくブログを更新できていなくて申し訳ないです。。

まぁこのブログは自他ともに認める【自己完結型ブログ】

つまり、読者が超少ないということです。笑

今年はちゃんと更新していきますね!!

おにまめ

それでは早速行ってみましょうー!!

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テーマは【感性】

まずは、用語の定義から行きましょう。

何ていったって、虫眼とアニ眼はどちらも造語。

おにまめ

ここから説明しないとなんのこっちゃ分かりません。笑

【虫眼】とは養老たけしさんがもつ眼。
例えば道を歩いていると、どこからか絶滅危惧種の虫見つけちゃう、そんな感性の高い眼のことです。

これは人は皆小さい頃は持ってたのに、いつしか無くしてしまう、【ものごとをジッと見つめる姿勢】のようなイメージ。

養老先生のお言葉を借りれば、

自然環境はものすごいディテールで成り立っていて、今の人間はそれを完全に無視して生きている。

本書より引用

とのこと。。

ここではトトロのメイちゃんがじっとトトロを見ている様子を模範解答のように描かれています。

このメイちゃん直伝の、ものごとのディテールを寄り目で見ていく行為。

この好奇心や姿勢が失われているとの主張されています。

対して【アニ眼】は宮崎監督のこと。

特別な定義は特に触れられていませんが、アニメを作る時のコマの取り方とか、構成の仕方や教育などの話が続くので、アニメ作成の立場から見た物事の【切口】のような捉え方で良いのではないかなと思います。

幼稚園改造計画

この本は最初の巻頭ページにカラーのイラストがあるんですが、ここだけでも十分に面白いです。

宮崎監督の理想とする街が描かれているんですが、そもそも

・なんでこうも街ってつまらないの⁈
・街がつまらないから、子供たちは虫眼をなくして、外で遊ばなくなるじゃない!?
・ほらみてよ、その環境で育った子供たちにモロに影響が出てきちゃってるじゃない。。

てな具合です。

そしてこの影響を受けてしまった若者をこうやって皮肉っています。

宮崎駿監督

【おそろしくやさしくて、傷つきやすく、おそろしく不器用でグズでいい子。。】

ですって。笑

この危機感から【家と街】を変えようってのが話のスタートで、宮崎監督の構想が始まるわけです。

大きく5つの特徴があるので紹介していきたいと思います。

①街の1番良いところに幼稚園を。

・そして危なくないと子供は育たない。
・だから、木登りし放題・火も燃やせる・ナイフ使える・ハサミやハリや糸も使える。

②保育園の近くに子供が来れるホスピスを。

・死が身近にある生活を体感してもらう。

③その周りに住宅地

・出来るだけ柵・塀は作らない。
・火を囲む生活を意識して、中央にキッチン。

④空地もあえて設ける

作り込みすぎた街は×。

⑤敷地の真ん中に家を建てる

敷地100坪くらいにたいして、25坪くらいの平家推奨。

宮崎監督、建築出身じゃないのに街や家の問題について気づいちゃってますよね。。

おにまめ

宮崎監督 恐るべし。。

余った感性が人間に向きすぎている

感性とはある種の差異を見分ける能力です。

だけど、現代人ときたら、その能力を閉鎖して環境を一律で捉えちゃっています。

すると感性が余って【人間関係】や【都市の人工物】に割り当てたという主張なんですね。。

少し、分かりにくいかも知れませんので補足していくと、

例えば、子供にとってはトンボでも一匹ずつ値打ちが違ってますよね?

少年

『コイツはデカいからリーダーだ!!』

的な。
それを我々は【トンボ】という大きなくくりで把握してしまっています。

つまり、周辺環境を一律に捉えていて、その小さな差異を見れていない。

結果的に人間関係にばかり関心が向きすぎて、そして人間嫌いになっているんだぜって話でした。

これは僕個人的にすごく納得できた理屈でした。

説明する意味ってあるの?

芸術作品を論じる際に、大切にしておきたい言葉です。

芸術作品は表現したいことが理屈ではない。
しかもその表現は言葉ではない。

だから千と千尋の神隠しが、なんとも表現できないとして、それはそのままで良いんじゃないかということですね。

**そもそも言葉にできないから表現しているわけで、**芸術とはそんなもんだと思ってもよいのかもしれないですね。

言葉や理屈になるならアニメにする必要がないよねってことですね。

おにまめ

超納得!!

世間にはインチキだの、バカだの、いう人がいますけど、そもそもおかしなことで満ち満ちているのがこの世の中だ。

そもそも正しいかどうかなんてわからないのが世の中なんですわな!

非常に勉強になる本でした。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。

それではまた次回!!

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