【一級建築士が語る】カーポートは確認申請を出さないといけないよって話

こんにちは。おにまめです。


今日は建築基準法のちょっとグレーな部分、【カーポートと確認申請】について解説していきたいと思います。


皆さまのご近所でもたくさん施工がされていると思われるカーポートですが、本来は確認申請の提出が必要です。


ですが、多分ほとんどのカーポート施工会社が確認申請なんて出していないと思います。

なぜならば、カーポートは外構工事。
建物の引き渡し前に建物単体で【検査済証】か発行されていれば、それ以降に役所の方がいちいち現場に来るような事は考えにくいからです。


要するに、法律上確認申請の提出が必要なんだけど、申請を出さなくてもバレる事がないって事ですね。


一応建物確認申請の時に同時に付属建築物として確認申請を提出すれば手間はまだ少ないですが、

お施主さん
確認申請提出するタイミングでカーポートの種類なんて決まってないよ~。。


なんて声が飛んできそうです。


外構工事は建物打ち合わせの後でそのうち~ってカンジのお施主さんも多いですから、その気持ちも十分に分かります。

正直僕もカーポートの申請のために、後日お施主さんが審査料を支払って確認申請を提出するメリットがあんまりないかなぁと思ったりします。


とは言え、法令遵守が叫ばれているこの時代、カーポートの確認申請を厳密に問われる時代も近いかなと思ったので、今回は確認申請にカーポートが必要な理由についてお伝えしていこうと思います。

割と違法建築はご近所さんの通報でバレちゃうって事が多いようです。。(近所とは仲良くね!)


せーの、法令遵守‼︎


それでは行ってみましょう‼︎

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カーポートは建築物


まず、カーポートに確認申請に必要な理由について。


カーポートの扱いは建築基準法上、【建築物】となります。
建築基準法第2条の用語の定義にガッツリ書いてあります。

建築物とは
【土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱もしくは壁を有するもの
とあります。


カーポートは
・定着していますし、
・屋根がありますし、
・柱もありますので、


問答無用、言い訳のしようもなく、100%純粋無垢な【建築物】です。


構造や規模を考えると【四号建築物】に該当します。
※車庫は特殊建築物ではありますが、100㎡を超えるようなカーポートはめったにないので、一号建築物ではなく四号建築物と解説しています。


となると、建築基準法第6条に照らし合わせると。。。
四号建築物を建築する場合には確認申請が必要だと読み取る事ができます。


むー、やっぱりカーポートは確認申請が必要です。

建蔽率・容積率に算入


建築基準法上、カーポートが建築物だと言うことはわかりました。
それだけではなく、カーポートの確認申請を提出する際に注意点もあります。

カーポートは建蔽率、条件によって容積率にも算入されます。


まず建蔽率について。
建蔽率には基本的に算入されます。

※調べてみると条件によって緩和があるようです。(朗報!)
僕の場合は社内ルール!?でカーポートは基本全て建築面積に算入(安全側)してしまっているので細かい条件は他のサイトに譲りますが、緩和があるという事を覚えておきましょう。

緩和規定はあるものの建蔽率が60%とか50%の地域では普通に家を建てたら、建蔽率の制限からカーポートを建てる事が出来ない場合もあるという事です。


ちなみに僕の家の近くには
・明らかに建蔽率60%の地域で、
・建物が結構敷地いっぱいに建ってて、
・カーポートがあって、
・サイクルポートがあって、
・倉庫がある
という家もあります。笑


通報されないように、ご近所と仲良くしてくれている事を願います。


次に容積率。
容積率は延床面積の1/5までは緩和されるという緩和規定がありますので、建物規模によって算入するしないは変わってきます。


まぁあまり住宅レベルで容積率がギリギリになることは少ないのですが、容積率にも基本的には含まれると認識しておいてください。
建物面積の1/5までとなると住宅レベルでは25㎡前後が多いかと。

一台用カーポートくらいなら容積率緩和が使えるという事ですね!!

積雪量と防火指定を確認


もう一つ注意しないといけないのは、それぞれのカーポートには基準が決まっている事です。


例えば、かまぼこ型でおなじみのポリカーボネイド製の屋根材は、防火地域や準防火地域では使用することは出来ません。
防火の基準を満たせていないからですね。。


防火地域・準防火地域で設置できるのは折板屋根のカーポートになります。


他にもカーポートには、それぞれ積雪基準が決まっており、例えば積雪区分50センチの地域で積雪30センチまでという規定のカーポートは設置できません。


最近は結構カッコ良いカーポートが発売されるようになってきましたが、よくよく見ると積雪20センチとかっていう基準があるんです。。


これを知らずにカーポートを設置したりすると、簡単に言うと【違法建築物】という扱いになってしまうのです。
カーポートはちゃんと調べて設置しないといけないんですよね。。

まとめ

今回はカーポートを確認申請に含める際の注意点について解説してきました。


カーポートって建築業界では結構グレーな問題なんですよね。。
それでも僕たちハウスメーカーは法令順守を厳しく言われていますので、申請費を頂戴して確認申請に含めているんですよね。。
申請費が余計にかかってしまうのですが、法律なので仕方がないところ。。


以下関連記事です。
上記のような、【法令順守】をクソ真面目に守れるのもハウスメーカーと言う母体があるからだと感じます。
法律に対して正しく居られるというのはハウスメーカー設計のメリットだと思います。


4号特例について解説しています。


最後まで読んで頂きありがとうございます。
それではまた次回!!

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