こんにちは。おにまめです。
今回は【子ども部屋の在り方】について解説したいと思います。
これから家を建てようと思っている人に向けての記事になります。
この仕事をしていると良く頂くご要望が以下です。
「子供部屋は最低6帖で2部屋」
めちゃくちゃ良く言われます。笑
確かにその気持ちがわからなくも無いんです。
なぜなら大体一般的な家庭では、確かに6帖くらいの子供部屋が2つあるからです。
僕の実家にもありました。
多くの人がまずは実家の間取りが基本だと捉えているのでこの要望が出てくるのも納得です。
だから僕も自宅設計で気が付けば、全く同じ出発点からプランを開始していました。
「子供部屋は6帖くらいで2部屋は要るよね⁉」
という感じで家族とヒヤリングをして進めたワケですが、自宅設計を通じて、これって本当に必要なのかという疑問が湧いてきて再考察してみました。
別に無理して削る必要はないと思いますが、【家づくりは金額との戦い】でもあります。
子供部屋を考えなおして面積を小さくすることが出来れば、それは一度検討してみる価値があるのではないでしょうか?
もし家づくりに行き詰っている人が居れば、参考にして頂けると嬉しく思います。
それでは行ってみましょう!!
子供部屋は、使っていない部屋の家賃である
戸建てを考える人の多くが、子どもの出産を機に家づくりをスタートさせます。
その時の子供はとてもカワイイですよね。。
だからこそ、この子のために窮屈じゃない部屋を確保してあげたいというその親心。。
その気持ちとても分かりますよ。
まだ親じゃないけど。
だけど考えないといけないのが、その金額面です。
一般的な家庭であれば、元々住んでいたアパートの家賃よりも住宅ローン返済の方が高くなることが通例です。
以前、戸建てVS賃貸についての自分の価値観を記事にしましたが、まぁぶっちゃけ金額面で言えば圧倒的にマンションが有利です。
個人的には、金額以上の豊かさが戸建の魅力だと思って戸建を購入しましたが、金額面は非常にシビアです。
住宅購入の前に、現在の家賃と住宅ローンの価格差を比較すると思いますが、床面積が違うので純粋な比較はできません。
ここで考えるべきは「子供が大きくなるまで価値が生まれない部屋」とは、使っていない部屋の家賃を払っているようなものという事です。
多くの人がアパートを2つ契約するようなことはしないと思いますが、これは子供部屋でも全く一緒です。
誰しもお金が潤沢にあって家づくりができるワケではないので、少し厳しい考え方ですが子供部屋は最小寸法で良いのではないかと思えてきます。
・むしろ無くても良いとか
・1部屋で良いとか
・別部屋でなく家具で仕切る程度とか
違った発想で子供部屋を捉えることができるのではないでしょうか?
例えば、6帖×2部屋は6坪。
坪単価が50万円の家に住むとして、110万円かかっている計算です。
35年ローンだと返済額がざっくり120万円になりまして、月々の支払いは3000円くらいです。
これが安いとみるか、高いとみるかは人それぞれですが、せっかく支払うお金なら価値ある部屋にしてほしいというのが我々設計士の希望だったりします。
子供を育てるのに、2000万かかるとかって言われていますが住宅でも結構かかってますよね。
子ども部屋を使用するのはせいぜい10年くらい
ぶっちゃけ子供部屋なんて、子供部屋として機能するのは10年くらいじゃないですかね。
(※最近流行っている子供部屋おじさんの場合は除きます。)
皆、子供を大事にしすぎてる気がします。
子供部屋に限らず、子供の様子が見えるように家全体が死角のないプランを希望されたりもしますが、ぶっちゃけ何で子供が小さい時の数年のために一生モノの住宅を合わせていくのか不思議です。
(価値観は人それぞれなので、あくまで僕の意見だと思ってくださいね。ご許しを。)
更に言えば、子供部屋が2つとも子供部屋として利用されている期間なんて数年だと言っても良いと思います。
よって我が家では、1部屋は当分ホールとして利用し、もう1部屋は僕の筋トレ趣味室になります。
ジム会員費 月8000円くらいをカバーするには悪くない使い方だと自分に言い聞かせています。
よって我が家も仕切った後の2部屋は5帖と4.5帖で大きさすら一緒にしていません。
加えて、たまに言われる
『兄弟ケンカしないように床面積は一緒にしたい』
という要望についての回答ですが、
「部屋の大きさが数センチ違うだけでケンカしないような、良いお子さんになるよう教育をお願いします。」とだけお伝えしたいと思います。
生まれてくるわが子が、どうか良い子になりますように。笑
別の用途を付加するのもアリ
最近多くなっているのが、子供部屋を2室繋げて当分は1部屋として利用してもらうというもの。
こちらについては個人的に大賛成ですし、もっと言えば
・リビングと一体に使えるようにしたり
・和室を将来子ども部屋として考えたり
・主寝室と一体に使えるようにしたり
と言うのも一案になると思います。
要するに、子供部屋という機能に限定しない方がよいだろうというのが、現時点でも僕の考えです。
まとめ
戸建である以上、長いスパンで自分の生活を想像していかなければなりません。
その一方であらゆるケースに対応する家となると面積ばかりが増え、気持ちの良い空間が小さくなってゆく傾向にあります。
そもそも10年後20年後の暮らし方など分からない時代ですから、やはり今後の生活の変化にフレキシブルに対応できる家と言うのが、結果として住みやすい住宅になるのではないかと考えます。
もっとフレキシブルに考えるのであれば、賃貸マンションも一案です。
設計者の僕としては、余すことなく床面積を活用してもらいたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
それではまた!!