設計者でも、自邸は死ぬほど悩むって話【検討すべきポイント】

僕がハウスメーカー設計として働いて8年目になります。
今まで担当して実際に建った家は100棟を超えます。
ざっと計算しても、だいたい一年で20棟くらい担当しますので、丸7年働いたとしても約140棟くらい。結構多いですね。。


今回自分の家を設計することになって、思ったことです。


自邸は死ぬほど悩む。。笑


最近、ブログの更新ができなかったのも、仕事以外の時間はずーっと家のプランを考えていたからなんです。


いや、正直今まで悩みまくっているお客さんに対して、
「早く決めてくれないかなぁ。。」なんて思ってたんです。


もっと言うと、
決められないのは覚悟がないからとか、
家で検討してくれていないからとか、
やる気がないからとか。。笑
そういった理由だと思っていました。


この考えは完全に改めます。笑


「なんで決めれないのか分からない」

なんて天才風の生意気言っていた自分を叱り飛ばしてやりたい気持ちです。


僕が設計者としてはまだまだ半人前なのは差し引いても、それでも自分の家のプランを決めるのは、かなりハードな作業でした。


なんとなくやりたいことはある。

→けど色んな理由で上手くいかなくて、振り出しに戻る。

→一度決めた前提条件が、ある一枚の写真をきっかけにガラッと変わる。。

→そのうち何がやりたいのか分からなくなる。。


まぁ超素人みたいな発言ですが、本当にそのような思考をグルグルと回って完全に迷子になっておりました。


仕事で人の家を設計している方が案外割り切れるし、冷静にどんな空間が良いのかが掴みやすかったりします。
自分のこととなると、冷静に見れなくなってしまうものですね。。


そんな冷静な時に書いた記事がこちらです。

意外と勘違いされている、土地と建物の関係【一般の方向け】


この記事を見た後には、「お前もじゃん‼」ってなるかもですが、仕事では冷静にやれていると信じたい。笑


一応先日何とか自分と奥さんが納得するプランが完成しまして、ちょっとホッとしているところです。


今回の記事は2ヶ月前の僕に向けて書こうと思います。
これから家づくりを検討されている方は是非参考にしてください。

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やりたいことよりも先に敷地のポテンシャルを考える


基本中の基本ですが、住宅はまず敷地ありきです。
敷地に対して家が建つのですから、まずは敷地の特徴、抜け、気持ちの良い場所、ファサード、佇まいを検討する必要があります。


プランを考えようとすると、まずやりたい事のイメージが先行してしまいます。
しかし、それはあなたが建てようとしている敷地に対して有効でしょうか?
今一度考えてみて下さい。


僕は屋根の一部をくり抜いて光を取り入れた家を見たことがあり、その空間がとても綺麗だったので、自邸で採用しようと思いました。
そこで最初に作ったプランは、玄関の近くに中庭を計画するようなプランでした。


しかし僕たちの敷地は南側に抜けがあり、将来も建物が立ちにくいという土地を買っていたため、中庭を作るというのは敷地に対してあまり有効ではありませんでした。


このように何かやりたいことがあると、素直なプランニングができなくなります。
また、やりたいことのゾーンが固定されたままプランニングをすることになりますので、あらゆるパターンを検討することができなくなってしまうのです。


やりたいことの前に今一度、敷地を徹底的に読み込む時間を設けてみてください。

思い描くシーンは人生で何回ありますか?


家づくりでは、両親が泊まりに来た時、ママ友が遊びに来た時、子供が思春期になったときなどあらゆるシーンを考えます。


しかしそのシーンを思い描くあまり、プランが制限されていることはないでしょうか?


例えば、
お客さんが寝ている横を通ってしかトイレに行けないから嫌。
子供部屋は最低でも6畳必要で、ケンカしないように畳数は同じにする。
受験などを考えるとうるさく無いようにリビングと離さないといけない。
とかですね。。


ぶっちゃけそんなシーンはほとんど来ないと言って良いと思います。笑


もちろん色んな住まい方がありますので、僕が言い切れるわけではありませんが、それでも冷静にそのような場合分けが必要かどうかは検討の余地があると思います。


一般的な家庭では友達なんて毎日泊まりに来ることはないでしょうし、両親が来るのもせいぜい年に2回くらいだと思います。
子供部屋だって思春期の時だけですし、そもそも日中は学校なので、家で鬼のように勉強するのも一日数時間くらいでしょう。


だから僕の場合は、子供部屋なんて5畳もないくらいで設計しましたし、子供部屋は2つ予定していますが、当分は壁を作らずホールのようにして使う予定です。
そもそも2つが同じ大きさでは無いという不平等ぶり。


これは僕個人の考えとして、
「子ども部屋を2つ必要とする期間」がどのくらいあるのかを検討した結果です。


僕の見立てでは、その期間は長い人生の中で5〜6年のことではないかと思っています。
まぁ人それぞれですが、家自体の大きさは有限ですから時間軸を考えて検討することが良いと思います。


もっと言えば、
これからの時代は自動運転やカーシェアなども主流になるでしょうから、駐車場の台数も検討の余地があります。
田舎では未だに4台は必須とかって言われますが、僕はそんなに必要ないんじゃないかなぁなんて思ったりしています。

時にはゼロに戻すことも必要


プランを作っていくと、
「これや!! 良いカンジのコンセプトや‼︎」っていう暫定案ができあがります。
しかし、立体で見たらあんまりカッコよくないということが何度かありました。


僕の場合は設計者として未熟の一言ですが、一般の方は平面から空間をイメージできないと思います。
そもそも、プランは家族と話し合いながら決めていくものですし、そんなにすんなりは行かないでしょう。。


よってプラン修正というのは必ずと言って良いほど起こりますよね。。
そんな時は一度前提条件から疑ってみることをお勧めします。


経験的に、あんまりだなぁってところからコチョコチョ修正しても、抜本的な解決には至りませんでした。
一度プランをゼロに戻した方が上手くいくこともあると思います。


プラン自体に答えはありませんから、途中で方向転換も全然ありです。
案外ゼロに戻した方が、全てを解決してくれる良い案が出てくるものですよ。

まとめ

僕が実際に自邸を考えて、もっとこうすれば良かったという検討ポイントでした。


もう一つ補足させて頂くならば、
家族会議は十分に行った方が良いと思います。
何となく良さそうなプランは、割と早い段階でできるものですが、なかなかこれで行こうと踏み切れる案には辿り尽きませんでした。


だからこそ、家族会議をして十分に話し合うのが良いと思います。


僕の場合も、最初に作ったプランから何度も話し合って、変更を重ねたことで当初のプランよりも圧倒的に良いカタチに落ち着いたと思っています。


以上、設計者の僕が自邸を考えて死ぬほど悩んだという話でした。


これから住宅を検討している方は、ツラく大変な期間ですが頑張って下さい。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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