【現役一級建築士が声を大にして言いたい】金がなくても、軒だけは削るな!!

こんにちは。 おにまめです。

金がなくても、軒だけは削っちゃいけません。

今まさに見積書の軒の項目に、二重線を引くところだったそこのマダム。
まずは、この記事を見てほしい。。

きっと二重線を二重線で消し、◎を付けることになると思います。

自分で言っててちょっと良く分かりませんが、早速行ってみましょうー!

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もっとも、安易に削りやすい項目。それが軒。

まず、建築工事において、【軒長さ】は安易に削りやすい項目です。

皆、軒の役割に気づいていないからです

当ブログでは、「住宅計画とは金額との戦いだ!」と言っています。
どんなに資金がある方でも、金額調整のタイミングはくるワケです。

そんな時【軒長さ】は恰好の餌食です。
・床面積は小さくならないし、
・外観もたいして変わらなさそうだし、
・結構、金額下がるし、

ってことで、めちゃくちゃ狙われています。笑

ウチの営業マンですら、

営業マン

軒を短くしましょう!
コストがおさえられます!!

とか言っているのでマジで信じられないです!!(ヒステリック)

では、軒長さが超重要な理由を解説していきます。

外壁や窓ガラスの汚れ・劣化

当然ですが建物は屋外に建っており、日々雨風にさらされています。

軒の無い(短い)家では、雨が外壁や窓を伝っていきます。
長年、この状況下にあった外壁や窓は、汚れや劣化が目立ってきます。

皆さんも、建った当時はイケイケだった軒のないお家が、サッシ周りの雨だれで見るも無残になっている状態を見たことがあると思います。

今はサイディングの性能が高いため、1~2年では汚れは目立ちませんが、10年単位では大きく違ってきます。

汚れていくという事は、当然劣化も早くなります。
(より過酷な状況にさらされているという事ですからね。)

住宅の寿命を考えると10年なんてあっという間。

初期コストを気にするあまり、トータルのコストが上がらないようにしましょう。

また、軒が長ければ外壁に直接日差しが当たりにくい事になりますので、紫外線をカット出来て、劣化も軽減できますし、室内の温度も上がりにくくなります。

おにまめ

劣化や室内環境にも影響しているという事なんですな。。

佇まい

僕が大事だと思っているのが、【佇まい】の観点です。
佇まいとは、【家の醸し出す雰囲気】みたいな意味合いです。

フラットな屋根もカッコイイですが、やはり軒をダイナミックに出したお家の方が僕は好きです。

少し脱線しますが、僕が尊敬する伊礼先生の【「小さな家」70のレシピ】の本の中で、
・敷地目いっぱいに家を建てない
・あえて家を小さく建てる

とあります。

小さく家を建て、軒が長い建物は、全体として安定感がある美しい【佇まい】に繋がります。

軒を大きく出すことは、【長い軒の分だけ建物を小さく作る】という事です。

敷地に対してゆとりを持って建てる。
そして、大きく軒を出す。
隣地とのゆとりあるスペースには、植栽を植える。

これが街に配慮した豊かな【佇まい】だと思います。

このような観点から、軒を大きく出した家はカッコイイ雰囲気になるのです。
(当然、お施主さんとは十分に説明しないといけないんですが。。)

あと、軒が長くなれば屋根の面積が増え、どっしりとした安定感のある印象を与えられます。

おにまめ

逆に軒が短い建物は、軒高が高く見え、プロポーションの悪い家に。。

最近では庇を短くして、出来る限り建物間口を優先する分譲地も見かけますよね。

建売のような【施工者側が間取りを決定できる場面】で、このような街並みになっているのなら、なおさら嘆かわしいことです。。

当然、狭小地ではなかなか軒を出すことができませんが、それでも窓庇などを利用して良い佇まいの家にしてほしいと願います。

まとめ

繰り返しですが、軒は削ってはいけない項目です。

軒を削るくらいなら、ご主人の【使うか使わないかよく分からない書斎】を無くしてください。笑
どうせ、読書なんてしません。Netflixを見るだけの部屋です。無くしてよし。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。

それではまた次回!

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