こんにちは。
おにまめです。
今日は、未だ住宅業界にはびこる【値引き】の謎の風習とそのロジックについて解説します。
ハウスメーカーに値引き交渉している人にとっては、ちょっぴり切ない話かも知れません。。
それでは早速行ってみましょうー!!
値引きの風習
不思議な値引き文化
住宅業界の値引きってめちゃくちゃ不思議ですよね?
契約前には必ずお施主さんから値引き交渉を受けます。
値引きの相談を受けると
・一旦持ち帰って会社と相談(するフリ)して、
・もう一回、見積作って、
・再度、アポを取ってがんばったアピールする
というなかなかメンドイ作業をします。笑
僕たち設計は説明にこそ行きませんが、新しい見積に合わせた図面をつくるので意外と手間です。
会社としては利益率が明確に決まっている以上、限界があるものです。
よほどのクレームじゃない限り、自社の利益を削ってまで値引きすることはありません。。
相場のない住宅業界
例えば、家電屋での値引きなら理解できます。
なぜなら、家電屋で置いてあるものは基本的にどこでも同じで、ネットや他社との価格差が分かりやすいからです。
おのずと【相場】と言うものが決まっていきます。
だから、と言う会話が成り立ちます。
ですが、住宅業界だとそうは行きません。
プランも違うし、素材も違うし、全く違うものを比較しています。
そうなると、お施主さんにとって【適正価格】と言うものが見えていない状態で、交渉がスタートします。
すると、もうめちゃくちゃエゲつない値引き要求を受けて、
みたいな、笑えない事が起こり得ます。
ビジネスの交渉場面では【ZOPA】と言って、【交渉者同士が合意したほうが双方ともハッピーでいられる領域】と言うものを理解していると交渉が上手くいくそうです。
【落し所】みたいなニュアンスでしょうか。
このように相場のない状態ではなかなか交渉事(値引き交渉)が上手くいかず、お互いに時間を無駄にしちゃうことがあります。
確かにゆるーいお金の勘定をする会社や、担当者自身が決裁者であれば、
みたいなこともありそうですが、ハウスメーカーは結構大きい会社が多いのでそんな感じにはなりません。。
値引きとは【おトク感】と【企業努力】の演出
このように相場が決まっていない状態での値引きとは、お客さんにとってどのような意味があるのでしょうか?
僕が思うにまずは【おトク感】。
値引きをされたとしても、それが適正かどうかはお客さんにとっては分かりません。
ぶっちゃけ僕たちも分かってないですし。笑
だから、「私たち、よりおトクに家を買えたよね?」って思って納得したり、購入の決心がついたりするんですね。
住宅は超大型買い物なので、このような【決心するための材料】として有効なのかも知れませんね。。
次に【企業努力】の演出。
先ほどの通り値引き率は決まっているので、別に努力もクソもないんですが、この企業努力っぽいものをを見せるってのが意外と効果的です。
要するにハウスメーカー側が少し負けた形を取る事が出来て、お客さん的にも悪くない印象になります。
「そこまでやってくれたのなら、お任せするわ」っと言ってくれたりもするので、なおさらこの一連の値引きルーティンが根絶できない要因になってます。
【値引】は悪循環
言わなきゃ損になってる
値引きをする人の気持ちは痛いほど分かります。
大きな金額の買い物で、少しでも金額を下げたいし、今は消費税もエグいので尚更。
そうすると、【言うはタダ】【言わなきゃ損】ってことでひとまず値引き交渉してみる流れになります。
値引きされる前提の見積書になる
すると、ハウスメーカー側も、値引きをされる前提で初期の見積もり額が決まります。
住宅での値引きって200万とか300万の単位ですからね。
もはやよく分からんです。笑
良くない営業だと、 見積もりを大きめに作って、あとから支店長みたいな人が来て、「目いっぱいやらせて頂きます。」と言って、 大きく金額を下げたように見せる という手法を使います。
もはや行事というか、通過儀礼みたいなもんですが、この一連の仕事で日本企業の生産性の爆下がりと聞いております。笑
まとめ
現時点では、お客さんは値引き交渉をしないと不利な社会です。。
一言下げてくれと言うだけで200万から300万さがるなら誰だって言うでしょう。。
逆を言えば、交渉しない人が損している状態というのはフェアじゃない感じがします。
少しずつこの風習が無くなれば良いな~と。
仕事も減るし。笑
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最後まで読んで頂きありがとうございます。
それではまた次回!