【構造力学】断面一次モーメントが、死ぬほど分かりづらいので、分かりやすく解説!!


こんにちは。おにまめです。

たまにYouTubeで構造力学について解説しています。

みなさん、断面一次モーメントって意味分かりませんよね。

どの参考書を見ても、おなじ説明で

おにまめ
さては、、著者も分かってないんじゃね!?


と疑いたくなります。

・こちらの読解力が低いのか、
・世の参考書が、余すことなく分かりづらいのか、
この2択なんですが、おそらく前者なのでしょう。。

認めたくはないですが、図書館に行って構造力学について解説してある本で調べてみました。

ということで、今回は【断面一次モーメント】について解説していきます。

これで分かりづらかったら、
僕も参考書の著者と肩を並べる(悪い意味で)ワケなのでめちゃくちゃ不安ですが、トライしてみようと思います。

おにまめ
まぁ僕には元々権威なんてないし。

※分かりやすさ重視なので、一般書籍と説明している順番がちょっと違います。

参考書ではいきなり

賢いヤツ
「微小面積dAが任意の軸Xに対して~」

みたいな導入でさっぱりだったので、少しアレンジしました。

何となく概念だけ分かってもらえたら嬉しいです。
それでは行ってみましょう~!!

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【モーメント】が分かりづらい

まず、細かいことは置いておいて
断面一次モーメントは断面積×距離(dA×y)で定義されています。(内容は後ほど説明しますね。)

つまり単位は㎥(立法メートル)になります。

僕たちが感覚的に思い浮かぶモーメントは【力×距離】
Nm(ニュートンメートル)ですよね。

ネーミングセンスのせいで僕たちはモーメント(力)だと認識してしまうのですが、
どっこい断面一次モーメントは厳密には力の概念とは違うようです。

これをまず最初に理解しましょう~!!

断面と力の関係

読者
モーメントって名前なのに【力ではない】ってどういう事さ!!


と怒る気持ちも、ぐっとこらえて次に行きましょう。
怒りの矛先は僕ではなく、古(いにしえ)の賢人たちに向けてください。

断面一次モーメントとは、【断面積を力に置き換えている】と認識してもらえると良いと思います。

【断面積】とは簡単に言うと【大きさ】ですよね?
【大きさ】を【重さ(力)】と捉えると、モーメントと命名した理由が分かってきます。

賢人たちは

賢人
【断面積(重さ=力)】に【長さ】を掛けたものを【断面一次モーメント】にしよっと。

と定義したワケです。
これを定義することで、物体の重心が分かるから都合が良いのです。

よってまず最初の難関。

G=A・Y
G…断面一次モーメント
A…断面積
Y…軸までの距離
が定義されたワケです。

微小面積dA?

じゃあ次。
断面一次モーメントの理解で必ず苦労する部分。

いきなり出てくる【微小面積dA)】と【ワケの分からんX軸とY軸】です。


いきなり軸とか言われても困惑しまくりです。
でも言っていることは先ほどの【G= A・Y】と同じことですのでご安心下さい。


まずは微小面積dAについて。断面一次モーメントの厳密な定義はこうなっています。

ある部材の断面内の微小面積dAとdAの図心からX軸までの垂直距離yを乗じた積を断面全体について合成するとき、これをX軸に関する断面一次モーメントと言う。

おにまめ
…いや、さっぱりわからん。笑

ですが、色々調べたら何となく分かりました。

例えば、
重力は僕たちのの身体の細胞一つ一つに掛かっていて、それを合算したものが体重となっています。

だけど物理の計算の中で、「体にある細胞の数が37兆個なので。。」みたいな話はしません。

まるっとひとくくりにして、【重力】が【重心という一点】に掛かっていると考えています。

つまり、細胞一つ一つに重力(加速度)がかかっていて、それをまとめたら体重になるのと同じように、
yという距離だけ離れている、細切れの面積(微小面積(dA))にそれぞれモーメントが掛かっているけど、それを合算したら全体のモーメントが出るよね⁉という話です。

ざっくり言って、【合計する】ことが【積分】なので、

S= ∫y・dA
【 y × dA(距離×細切れ面積)をたくさん足し合わせたもの】
と定義されているようです。

意味を理解する上では積分は不要ですが、部材面積がめっちゃ複雑だったりする場合もあるので、このような表現になるのでしょうな。

図心=曲げモーメントがつり合うところ

次に、いきなり出てきたX軸とY 軸についても解説しておきましょう。

断面一次モーメントは、【部材の重心を求めるための概念】だと考えて良いと思います。
(少なくとも一級建築士試験の中ではそうですね。。)

少し物理の話まで遡ってしまいますが、質量が2つに分かれている点でも、重心は出ます。


それは任意で決めた点周りのモーメント計算をすれば算出できます。

仮に2つの質量をm1とm2。

任意の点までの距離をそれぞれL1とL2とするならば、
m1L1+m2L2がモーメントですね。

まだ分かっていない重心までの距離をL3と仮定すると、
2つの質量の合計と L3 を掛けたモーメントが先ほどの値と同じになります。

m1L1+m2L2=(m1+m2)L3となるワケです。
この計算をすれば重心が導きだせます。

この理屈が分かれば、2つの質量が同じものならば、重心がその中心に来ることは理解できると思います。

そして、質量に偏りがある場合は、質量の大きさの比によって重心がズレることも理解できますね。

ここまで分かれば、もうちょっとです。

図形が整形の時、中立軸は重心と同じですから、
【中立軸は断面一次モーメント=0になる】となるワケです。


つまり重心を知るためには、モーメントの計算をする必要があり、
計算式を作るためには、適当に任意の点(軸)を決める必要があったという事ですね。
もちろん積分を使うためにも距離が必要ですし。

まとめ

という事で、ざっくりと断面一次モーメントの概念を説明するだけの回になってしまいました。

この任意の点(軸)が中立軸を通っていると、積分の関係から、断面一次モーメントは0になるという事は覚えておいて損はないと思います。

いかがだったでしょうか?
元々は過去問解説動画を作ろうとしたら、気になって気になって、気が気じゃなくなったので、記事にしただけなんですけどね。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

以下関連記事です。
一級建築の学校の使い方について解説しました。

一級建築士の勉強を始める前の導入部分で読んでほしい記事です。

それではまた次回。

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