ハウスメーカーが最終決定後の変更に対応しづらい理由

最終決定後の変更はできない。。

先日、このようなことがあり結構大変だったので、ちょっと書かせて頂きます。
めちゃくちゃリアルな日常の話なので、ハウスメーカー設計を希望している就活生にはモチベーションに影響するかもです。ごめんなさい。笑

簡単に言うと、最終決定後の変更です。
これがどうにもお客様によっては理解して頂けず、日々歯がゆい思いをしてしまいます。
きっとこれは従来の大工さんが一軒の家を建てていた時代とハウスメーカーのシステムが違うからだろうな~と。

お施主様にとっては家づくりは一大事。
だから、できる限り最終決定後の仕様変更であっても対応してあげたいというのは僕たち設計者も同じ気持ちです。
ですが、なかなか変更ができない理由がありまして。。
今回はこういったハウスメーカー設計ならではの悩みを書いていこうと思います。

最終仕様決定はとても重要な行為です

まずは、意外と認識してもらえないのがこれですね。。

最終決定という行為をあまり重要だと捉えていない施主様が結構な確率で居ます。 今回の僕の悩みの種はまさに、このような状況にあります。

普通の打ち合わせ期間中であれば、大したことがない作業でも最終決定後は変更によって増える作業量が全然違います。
着工している、していないに関わらず、この最終決定という段階が変更が可能かどうかの大きな線引きになります。

最終仕様決定後にかなりの熱量で図面を作ります

ハウスメーカーに限らず、建築は図面で現場へ指示をしています。
もちろん現場に出向いて、細かい部分を入念に現場へ伝えるという行為はありますが、基本的には図面の中に全ての情報を記載するように努めます。
何が言いたいかというと、僕たちは最終決定後すべての打ち合わせ内容の再確認、 整合が取れた各図面をかなりの熱量をもって仕上げています。
設計者なら誰でもわかると思いますが、 この行為は楽しいと思う反面、なかなかハードな作業ですよね。
僕たちハウスメーカー設計は複数人で物件を持つことはほとんどないので、すべて自分で仕上げます。

で、その行為の後に変更してほしいって言われるとかなり心が折れるワケです。。笑
しかも施主様は僕たちが図面を仕上げている様子を知らないので、割とさらっと変更と言われてしまいます。笑

「僕のかなりこだわった、あの悩み悩んだ納まりはもう要らなくなるんですね。。」みたいな。
しょうがないと言えばしょうがないですが、まずは精神的にこたえる。。という話。

自分だけの作業であれば、はっきり言って自分がまた頑張れば良いだけの話なので、大した問題ではないです。
ですが次の項目が結構重要。最終決定後の変更は担当設計者だけの話ではないんです。

最終仕様決定後は発注と製作を依頼

最終図面ができた後は各業者と工場に発注作業をしています。
例えば、基礎鉄筋の量だとか、 構造躯体の鉄骨の形状だとか、細かい内装部材も合わせて発注・製作に取り掛かってもらいます。

ここで変更があると、新しい部材と不要な部材を再度各業者に連絡しなければなりません。 
さらにそのタイミングで製作が完了していたらそれは廃棄になってしまいますので、当然金額の返金は出来ないですよね。

実はハウスメーカーではほとんどの部材がCAD内でデータ化されていて、図面を送ればある程度部材の拾い出しを自動でしてくれます。
逆を言えば、変更を受けた時に何を残して、何の発注を切り替えるのかがかなり不鮮明になります。膨大な手間になってしまうワケです。
データに依存していると言えばその通りですが、何せ建築は部材が多い。
ハウスメーカーのような着工数の多い会社がこのようなシステムになってしまうのも無理はないと思います。

ここが意外と施主様には分かってもらえない部分ですね。。
僕もきっとこの仕事に就いていなかったら 「まだ着工前なのに何で変更できないの?」って同じように思ってしまうと思います。
ですが、最終決定後は発注・製作が絡むため、なかなか変更が簡単にできないという側面があるんです。

最終仕様決定後は各業者に図面が拡散

これはハウスメーカー特有かも知れません。

ハウスメーカーでは、自社製品が多いので水道・電気・建方・大工など関係業者はほとんどその会社のみ受け持っている専任業者になります。
その専任業者との連携がしやすいように,こちらが発注作業を終えた段階でクラウド内に図面が保存され、 各業者が図面をいつでも見れるようになります。

要するに、最終決定後はいつ誰が最終図面をプリントアウトしているのかが分からないんです。
よってこれ以降の現場変更は、各業者が別の図面を元に作業をしているという状況が起こりうることになります。
これは施主様にとってもかなりリスクがある行為だと思います。

中には、「それも含めて元請けが管理してくれよ」と思う方もみえるかもしれませんが、 住宅の場合は現場に仮設事務所もなく設計者も現場監督も巡回でしか現場を監理できません。
その中で別図面で工事がされていたら間違いの元ですよね。

というワケで担当者の作業量や大変さの他にも、現場変更がしづらい理由があることを知って頂けると嬉しいです。

とは言っても、できる限り対応はする

さんざんできない理由を書き連ねておいてなんですが、それでも施主様が変更したいと言われれば僕たちは対応するしかありません。
当然無駄な費用が掛かってしまうこともありますし、現場にうまく伝わらないリスクもぐっと高まってしまいますが、それでも対応します。

一生に一回というこの言葉を何度自分に言い聞かせたか分かりません。笑
日本の住宅が20~30年くらいで建て替えしているというデータと明らかに計算が合いませんが、笑
そのあたりは見て見ぬふりをしながらなんとか施主様の満足のために仕事をする。まぁこんな毎日を送っております。

てなワケで、まとめ

最終決定後の変更は本当に大変。。
顔が引きつることもありますが、それでもできる限りのことはやります。

というのが結論です。
この記事を見ている、一般の方にはぜひとも最終決定後の変更はないようにお願いしたいと思います。笑
我々業者と施主様、互いに配慮しながら楽しく家つくりができるように努めたいですね。

最新情報をチェックしよう!
広告