こんにちは。おにまめです。
今回はハウスメーカー設計のツライと思うところをまとめてみました。
僕は新卒から大手ハウスメーカーに勤めて現在で8年が経ちました。
ちなみに僕は就職活動の時あまり自分の適性を考えずにハウスメーカーに入社したので、なかなか大変な日々を送りました。
今も継続中です。笑
就職活動中の方や転職を検討している方は、この記事がきっと参考になると思います。
それでは行ってみましょう〜!!
他部署との調整
ハウスメーカーでは組織で家づくりをしているため、基本的に【分業制】になってます。
ざっと大きく分けて営業・設計・工事・積算・総務って感じです。。
この分業制と大きな会社が故に、他部署との調整が結構大変です。
工場との関係
ハウスメーカーは自社部材の生産工場を所有してるケースが多いです。
基本的には工場製作できる部材設定の中で設計を進めるワケですが、要望によっては、どうにも標準部材では対応しきれないプランが出てきます。
その場合、工場と納まりの打ち合わせをするのですが、正直設計とはいえ部材の細かい詳細は詳しくないんですよね。。
なぜなら僕らにはマニュアルがあって、細かい詳細を知らずとも設計ができるようにシステム化されているからです。
そのマニュアルを参照しながら設計を行うので、細かい部材の数値や根拠は知らないというのが実際のところ。。
そして、工場担当者とのやり取りが何とも難しい。
彼らは機械系のエンジニアで、建築とは少し違うカルチャーがあります。笑
・設計者の意図はなかなか伝わらない。
・ニュアンスでの説明が難しい。
ってことで結構大変です。 笑
営業・現場との関係
ハウスメーカーの基本的な流れとして初期折衝は営業にて行います。
法的に難しい場合や、求められるクオリティが高い場合は設計が同行してプランを作成しますが、基本的には初期折衝とプランニングは営業主導です。
年次が上がるにつれ、契約前に関与する割合も上がりますが、
若手はまずは契約した後の物件を担当していきますね。
結構驚かれますが、実は初期折衝の段階では設計はプラン描いてないケースもあるんですよね。。
それでほぼ契約が決まってから、設計がチェック、そこで問題が発覚したりすることもあるんです。
でも契約が決まっているから、何とか辻褄を合わせないといけない。。
結果、そのあとの現場への引継ぎで監督から苦情が来たりします。
営業は契約を取ることが一番大切で、現場は工期通りクレームもなく現場をおさめることが一番大切というその間に設計がいるような感じですね。。
猛烈な板挟みです。笑
また、分業制なので連絡事項とか他部署との連携とかで多くの時間がかかってしまうのも、この仕組み弱点ですね。。
全てが設計者責任
建築に関わる問題は設計者のせい⁉
先ほどの内容と少し重複しますが、ハウスメーカー設計者は営業と工事とのモリモリの板挟みです。
それこそ初期プランを自分で描いたわけではないのに、営業の初期折衝に合わせて話を進めていく必要があります。
例えば、
営業:解体で既存の母屋は残せます!
→分割ラインを引くと、既存母屋の採光計算NG
これは、【用途上可分・不可分】の問題です。
別記事で詳しく書いていますので、良かったら見て下さい。
営業: 建物間口 〇 m取れます!南に大きくLDKが配置できます!
→隣家との距離がパツパツ。。家の横歩けない。。
みたいな感じです。
これを何とか言葉巧みに調整していくわけですが、当初プランをあまり悪くも言えないので結構神経使います。笑
やっとのことで着工できるくらいまで来たときに、工事担当者から寸法がシビアすぎる‼なんてお叱りを受けることになりますが、それは基本的には設計者責任で対応することになります。
前述のように営業は契約を取ることが最大の使命ですので、「絶対に問題がないように契約しろ」とはとても言えませんが、前衛部隊である営業に建築の知識が乏しいというのはやはり問題な気がします。。。
何より社内外・社会的にはこの図面を描いた、そして計画を推し進めたのは建築士を持つ設計者です。(社内にはせめてわかってほしいものですが。。笑)
法的にグレーな部分や辻褄合わせの打合せを進めていくのはどうにもつらいし、苦しいところですね。。
圧倒的な物件量
大手ハウスメーカーでは、だいたい一人7.8件を同時に持っていて、それ以外に契約関与+着工中物件があります。
合わせて大体 15件くらい が同時並行で動いているような感じです。
特別問題がなければ仕事は進んでいきますが、何かトラブルがあった時は一気に忙しさが増えちゃいます。
ですがまぁ簡単に言うと、トラブルがゼロな時はない。。笑
些細な点でも何かしらのトラブルが起こります。(大手ハウスメーカーには優秀な設計者がたくさんいますので、僕だけかも知れません。笑)
現場打ち合わせ・役所打ち合わせ・工場とのやり取りなど自分の図面作業だけでなく社内外の調整をする立場なのでおのずと仕事量は増えていきます。
打ち合わせの多さたるや、もぅ。。
ここでお伝えしておきたいのは打ち合わせの多さです。
大体土日は2~3時間の打ち合わせを1日3件ほど行います。
午前中の打ち合わせの時間が押せば、昼飯食えないなんてことも日常茶飯事。
これは僕の周りの設計者あるあるですが、土日に人と会いすぎて自身の定休日は誰ともしゃべりたくないって人が意外といます。笑
たまに打ち合わせ大好きって人もいますが、ここは適性によるんでしょう。。
僕みたいな基本ベース根暗な人間にはこの打ち合わせの多さは結構こたえます。。笑
ぶっちゃけ着工まで時間ない
じゃあなんでそんなに打ち合わせしないといけない状況かというと、ハウスメーカーは契約してから着工までが短いという特徴があるからです。
打ち合わせ期間に3か月もらえれば最高にハッピー。
大体2か月くらいですべての仕様を確定します。
ハウスメーカーは回転率が重要なので、ここはハウスメーカーの宿命。
切っても切れない関係です。
もちろん着工まで時間がある物件もありますが、全体的にスピーディーな物件が多いですね。。
そのため、僕たちは出来る限りお客様満足を保ちながら、スピーティーに打ち合わせを進める技術が異常に高まります。笑
こちらは記事にしてまとめましたので良ければ見てください。
【設計士向け】設計打ち合わせの回数を減らすには?
ハウスメーカー設計の忙しい日々について語ったのが、こちらの記事です。
まとめ
てことで、ハウスメーカー設計のツライと思うところでした。
なかなか就職しないと見えない側面もありますね。。
今回は軽く記事を書き始めたら、止まらないくらい項目が出たのでPart①としてまとめました。
②はこちらからどうぞ。
Ⅲも作成中です。
乞うご期待!