【ハウスメーカー設計】確実にお施主さんに響く建築プレゼンの流れ

こんにちは。おにまめです。

今日は僕が、【お施主さんへのプレゼンで意識していること】について解説していきます。

設計士ならば、自分が良いと思った間取りを採用してもらいたいですよね。

もちろん決定権はお施主さんですが、設計士のほうが家については知識が豊富ですから、プランの良さを十分に伝えれば、きっと良い家が建つはずです。

自分のエゴを押し付けるのではなく、どう魅力を伝えるかで採用率は大きく決まってきます。

僕の師匠の言葉に

師匠
『プレゼンとはとにかく伝わることだ!』

 

というものがあります。

テクニックやスマートさだけではなく、きっちりと意図を伝えられるかがキモということですね。

僕が普段のプレゼンの流れについても解説していきますので、最後までご覧ください。

おにまめ
それでは早速行ってみましょう〜!!

 

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平面図では伝わらない

住宅設計のプレゼンの主戦場は、コンペではなくお施主さんへの直接プレゼンです。

ここで若手設計が陥りがちなのが【平面図】で説明しようとすることです。

僕も何度も失敗しましたが、平面だけではお施主さんにプランの良さを伝えきれません。

建築図面が読める人からすると、平面図は最も情報量が多い図面なのですが、素人であるお施主さんにとっては、難解な記号にしか見えません。

さらに基本的には、プレゼンはお施主さんの面前ではじめてお披露目します。

つまり、プレゼンでは
平面図を理解できない上に、はじめて見る間取りであること
に配慮しなくてはダメなのです。

コレを無視して、一方的に平面図で説明をして、鼻息荒く

おにまめ
『どうですか?むふふ。』

 

と言われたところで、

お施主さん
『ちょっとよく分からない(なんか興奮しててキモい)』

 

となってしまうのです。

プロセスから説明

だから僕は平面図から説明しません。

大きな流れとしては、
敷地のカタチ→周辺環境→駐車場→庭→建物ヴォリュームの順に、
ゆっくり説明していきます。

こうすることで、『なぜそのプランに至ったのか』を順を追って(時間をかけて)説明することができます。

お施主さんに対しては時間をかけて、噛み砕いて説明していくことで、やっと終盤にプランの全貌がイメージできるようになっています。

このプレゼンは『ゾーニングの合意』を狙っています。

平面図(間取り図・プラン)からプレゼンすると、
・洗面所の収納だとか、
・靴箱の大きさだとか、

どうしてもディテールに話が逸れてしまいます。

このような、詳細打ち合わせはプランが決まってからやりたいので、まずは大きいゾーニングから理解してもらうよう工夫しています。

さらにこのプロセスを共有しておけば、突拍子もない間取り(ゾーニング)になることを防いでくれます。

打ち合わせ時間の短縮にもなるのです。

コンセプトを伝える

コンセプトは大型建築では必須ですが、意外と住宅では軽視されがちです。

ダメなプレゼンは、
・家事動線が良いとか
・部屋が広いとか
・リビングからの景色がきれいとか
どの住宅にも備わっている機能ばかりを説明してしまうことです。

これでは『納得はできるが、このプランにする決め手に欠ける』といった印象になりかねません。

お施主さんがどういった属性を持っていて、その属性に【どうジャストフィットさせたプランなのか】を説明すべきであり、そのために住宅でもコンセプトが重要になってくるのです。

お施主さん
『そんなコンセプトが立った家ばかりじゃないのよ』

 

とそんな声も聞こえてきそうです。

もちろん、その通り。
そしてだれもが、唯一無二の家を求めているワケではありません。

僕はコンセプトをした上で、結果的によくある間取りになってもOKだと思っています。

要は、お施主さん個人に寄り添ったプランであることであり、『あなたを思い浮かべてプランニングしたんだ』と伝えることが大切なのです。

コンセプトというと、難しく感じるかも知れません。

そんなときは『一言でいうと。。』と置き換えてください。
一言でいうと、〇〇な家。
これで十分コンセプトなのです。

・軒下でしっぽり酒が飲める家。
・忙しいママが、楽勝で家事を終わらせられる家。
・のんびり本が読める家。

これらは決して、世界に一つだけの唯一無二のコンセプトではありません。

ですが、打ち合わせでお施主さんの人柄・住まい方を見れば、きっと見つけられるハズです。

生活の動きに合わせて(帰宅から)

またまた師匠の言葉に、

師匠
『家は帰宅してからがスタート』

 

というものがあります。

たしかに、多くの人にとって、仕事から帰ってきてからの
・ご飯を食べて、
・まったりして、
・寝て、
・起きて、
・朝の準備

の流れが【家との向き合い方】ではないでしょうか?

個人的にプレゼンでは、【家に帰ってきてからのホッとするポイント】にフォーカスしたほうが良いと思っています。

ですから僕の場合、
・帰ってきてから、
・ここで着替えて、
・ここで飯食って、
・ここでソファに掛けて、
・愛犬見ながら、
・まったり酒飲めたら最高じゃないですか?
みたいな、帰ってきてからの具体的な動きに合わせてプレゼンを進めます。

その付属に当たるのが動線であり、収納です。
動線・収納は決してメインではないことがポイントです。

戸建て住宅の良さは【自分の好きな空間でまったりできること】だと思います。
戸建ては誰もが持つ時代ではではなくなり、ぶっちゃけ家計を考えれば賃貸のほうが優れています。

でも、だからこそ!!

戸建てを建てるのなら、贅沢な空間を全身で味わうことを大切にしてほしいと思うのです。

おにまめ
まったりできることが最高の贅沢。

 

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最後まで読んで頂きありがとうございます。

それではまた次回!!

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