住宅打合わせのコツ【設計士向け・打合わせ間違いを防ぐ】

僕たちハウスメーカー設計者は、同時期に7~8件ほど物件を担当します。


住宅建築は基本的に「お客さんから承認をもらっていく」と言うのが打合わせの主旨になります。
ですから社内会議のようなディスカッション形式の打合わせとは少し毛色が違うワケです。


そうなると、当然のように打合わせを効率的に進めていきたいと思うのが本音。
とは言え、建築業界では言った言わないの話が後を絶ちません。。(悲しい)


だからできる限り打合わせをスムーズに進めつつ、要所となる部分はきっちりお伝えしないといけない。
という、なかなかのジレンマに僕自身苦しみました。


今回は正確に打合わせ内容を伝えるためのポイントを3つにまとめてみました。
早速行ってみましょう!!

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流暢に話し過ぎないように気を付ける

たまにですが、打合わせで自分でも恍惚感を得られるほど、うま~く口が回る時ってありますよね⁉笑
これはきっと多くのビジネスマンに共通して訪れる現象だと思います。


あくまで肌感覚ですが、こんな時こそ要注意です。
なぜなら、僕たちの打合わせはあくまで、「業者(プロ)と施主(素人)の話し合い」です。

基本的な知識量が圧倒的に違いますし、場合によっては全く違う認識(先入観)を持っている可能性すらあります。


となると、さらさら~と話して了承をもらっていても、そもそも全然違うイメージを持っているという事があるのです。


僕がまだ社会人2年目の時、エアコンの認識違いでめちゃくちゃ苦い経験をしました。


新築工事では、エアコンの冷媒管を建物外部に露出する【露出配管】と
内壁の中を通して外観上すっきりさせる【隠ぺい配管】の二種類の配管方法があります。


その説明をお客さんにさらっとして、隠ぺい配管をすることで決まりましたが、
引き渡し直前に「隠ぺい配管になっていない」とお客さんから指摘を受けてしまいました。
すぐに現場に行って確認したところ、問題なく隠ぺい配管になっていたので何のことかわからず、お客さんに再度確認してみました。


結果「隠ぺい配管」という言葉を「ビルトインエアコン」と勘違いしていたという事がその時になって分かったというオチです。
ビルトインエアコンと言うと、公共建築なんかで使う壁の中に室内機が埋まるアレです。


内心、そんな勘違いあるの!?と思ってしまいましたが、
説明不足を指摘され、エアコン費用を負担したという結果になりました。


このように打合わせでは細かく詳細を話したポイント以上に、さらっと一言二言で終わった会話ほど意外な勘違いがあるものです。

他にも自分が流暢に話せていると思えるときは、結構専門用語を使っていたり、少し早口なケースが多く、あまりお客さんに伝わっていないことが多々ありました。


これは自分が結婚式や土地売買での打合わせの時、お客さん側に立った時に再認識できました。
担当者も丁寧に話してくれているけど、専門的な部分はあまり分からない。。
だけど、担当者が淡々と説明しているときにわざわざ話を中断できずに、結果的に家に帰ってからググるなんてこともたくさんありました。笑

だからこそ自分が業者側の時は、自分でもイイ感じと思える打ち合わせの時ほど、入念な確認作業をしていくことを意識しています。

会話に加えて、パフォーマンスでも覚えてもらう

ぶっちゃけ自分もそうでしたが、結婚式の打合わせなんかは何時間も打合わせしたのに、後から思い出して
「あそこって話題には出たけど、結果どうなったんだっけ?」みたいなことが多々ありました。

僕たちは、自分が思っている以上に話した内容を覚えていないんだという事を思い知らされました。

結婚式の内容ですら正確に把握できていないのですから、決めることがたくさんある住宅の打合わせでは、打合せはしたもののお互いの認識が違っている部分が必ずあるものとして対策を考える必要があります。

そこで僕は、話の内容とパフォーマンスで印象に残るように工夫しています。
例えば、キッチンをA案B案で迷っていたとしましょう。
そんな時は、A案B案を机の上に乗せて、ふたつの違い等をプレゼンします。
ここまでは普通の打合わせですね。。

次は僕が意識していること。
仮にA案に決まった時、僕は思いっきりA案に直径30センチくらいの〇を書きます。そして、B案には大きな✕を打ってしまう。
別に何でもいいんですが、とにかく話すという行為に加えてパフォーマンスでも印象に残るようにしているという話です。


これは結構ダサいんですけど、効果は絶大です。笑
是非試してください。

次回打ち合わせで、念押し確認

住宅の打合わせは一回では終了できません。
大体契約後に5~6回打合わせをするので、これはある意味確認するチャンスもそれだけあるという事ですよね。


ですから、次回の打合わせ時にもう一度確認をするようにしています。
ここで打ち合わせした内容のパースやCGを用意して図面もお渡しした上で、もう一度念押しで確認ですね。。笑
もちろん、ここで前回の議事録も合わせてお渡ししておきます。


ここまでやると、めちゃくちゃ確認作業ばかりで疲れると思いますが、言っても打合わせの最初の5分程度ですので時間的コスパはそこそこ良いと思っています。


たまにそこからまた悩みだして、全然打合わせに進めないときがありますが勘違いされているより全然マシです。笑

とにかく僕たち建築業者がツライのは、一度できたものを勘違いを理由にやり替えすることです。
大工さんが綺麗に作ってくれたものを、自分のミスでやり直してもらうというのは何よりツライです。
工程も厳しくなりますし。。


多少打合わせの時間が取られたとしても、念押し確認は必要だと感じています。

まとめ

今回は業者からの打ち合わせミスを防ぐ方法を解説してきました。


僕も8年間仕事を続けてきて、上記の対策を自分なりにも模索してきてどうにかこの手の打ち合わせミスを防げるようになりました。


打合せを早く終わらせたいけど、ミスはしたくない。
とにかく、このことを考え続けてきました。笑
過去に設計打合わせを少なくする記事も書いていますので、ご参考にしてください。

【設計士向け】設計打ち合わせを少なくするには?

最後まで読んで頂きありがとうございます。
それでは、また。

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